アコヤパールができるまで
アコヤパールができるまで
アコヤパールは、ジュエリーとして皆様のもとへお届けするまでに約4年の歳月をかけて育てられています。OHARAでは、パールを生みだす母貝の育成から加工まで、すべて人の手で行っています。
1.採苗(さいびょう)・稚貝育成
真珠を育てるための母貝の多くは、人工的に受精・孵化させて育てています。これを採苗と言います。 採苗された稚貝は1~2ヶ月水槽で過ごし、海に移されてから約2年かけて母貝に成長します。成長するまでには、付着物の掃除、成長に合わせてのカゴの入れ替え、餌の選別、水温調整など、沢山の技術と愛情がかけられています。 稚貝から育てることは天然資源の保護にも役立っています。
2.仕立て
母貝が成長したら、体内に真珠の核を入れる必要があります。このプロセスは、貝にとっては大仕事。反応を和らげるため、まずは別のカゴの中に入り生理活動を抑制します。これを「仕立て」と言います。3.貝たて・栓差し
核を貝の体内に入れる前に、まず貝の口を開きます。そのために、仕立てた母貝を別のカゴに移し、口を上に向けた状態で詰めて並べます。そうすると、口を開けにくくなった貝は呼吸をするため、反動で口を大きく開きます。これが「貝たて」という工程です。その後、栓を差して開いた口を固定する「栓差し」を行います。4.核入れ
いよいよ核入れ作業です。核入れ施術者が、貝の中に球状の核と真珠層を作り出す細胞(ピース)を一緒に母貝に挿入していくのですが、これがとてもデリケートかつ難しい作業で、一人前の施術者になるためには最低でも10年の経験を必要とします。この段階で入れ方を間違えてしまうと、せっかくの母貝が衰弱して死んでしまったり、うまく真珠にならなかったりするのです。
職人たちは、貝に必要以上のダメージを与えないよう、細心の注意を払いながら作業を行います。
5.養生(仮吊り)
核入れは、貝にとっても大仕事。 体力が回復するようまずは穏やかな海に戻し休息を与えます。その後様子を見ながら沖合に移していきます。6.養殖管理
沖合に移した後は、人の手による貝のお掃除、高水温対策、赤潮からの避難といったお世話が始まります。自然を相手にしたこれらの手入れにも、長年の経験で培った知恵と技術が必要です。一粒の真珠が出来るまでには、なんと人の手が数千回以上かかると言われています。7.浜揚げ・採珠
ようやく真珠を取り出す工程です。 採珠の時期は、核入れ時期や、場所、自然環境によって差はありますが、一般的には年末の12月から翌年の2月頃にかけて行われます。一部を試験剥きして、いちばん良い状態のときに「浜揚げ」をします。真珠を貝から取り出したら、綺麗に洗浄して汚れを取り除きます。母貝の育成に約2年、そこからさらに1~2年の養殖期間を経て、ついに真珠の誕生です。